11月15日開催イベント“ツタグラpresents 「インフォグラフィックス・ワークショップ」”レポート
イベントレポートvol.2
「デザインの力を借りて、みんなで未来を考える」そんな目標を掲げるツタグラ・プロジェクト。でも、いざ課題を目の前にして「よいインフォグラフィックス(=つたわるグラフィックス)をつくるにはどうしたらいいの?」そう思っている人も少なくないはずです。
そこで今回OpenCUで行われたのがインフォグラフィックスづくりを体験するワークショップです。ここでは会場(渋谷loftwork Ground)中が熱く盛りあがった2時間をレポート形式でお届けします。途中、インフォグラフィックスの基礎知識や制作のコツなどにも触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください!
■インフォグラフィックスをつくるために
今回の講師は木村博之氏(Tube Graphics代表)。インフォグラフィックスデザイナーとして数々の作品を作り出し、またインフォグラッフィックスに関する書籍も執筆している、まさにインフォグラフィックスの専門家です。
そんな木村氏から、まずはインフォグラフィックスの起源や種類など、作品づくりのために知っておきたい基礎知識が紹介されます。
「インフォグラフィックスとはインフォメーショングラフィックス、情報をわかりやすく伝えるためのグラフィックのことです」と木村氏。「データだけだと見えにくい情報も、ちょっと形を変えるだけで伝わることもある。たとえば道を聞かれて説明するとき、言葉だけではなかなかうまく伝わらないことも、ひとふで書いてあげるとぐっとわかりやすくなりますね」
そんなわかりやすいたとえ話にうなづく場内。そしてインフォグラフィックスが果たす役割などについての話が続きます。
さらに「インフォグラフィックスは大きく6種類に分けられる」という話に。
(6種類については、こちらでも図入りで詳しく説明されています)
また、インフォグラフィックスが「伝わる」ものになるために必要な条件の話へと続きます。
「重要なのは、コンセプトとデータ。そこがしっかしていないと行き詰まります。さらによいグラフィックには5つの要素が必要です」
・ もっと先を見たいと思わせること
・ 10個ある伝えたいことから1つを選ぶこと
・ 人は横長の画面を見ると左上から右下に視線を動かす、というような流れを意識すること
・ 言葉を無くすことはないが、無くても伝わるようにしていくこと
これらのことに気をつけながら作品をつくっている、という木村氏の言葉に基本の大切さを感じます。そして話は、できあがった作品を改めてチェックするときのポイントにもおよびます。
・ 誰に伝えようとしているか、そして作品を見た相手がどう思うか?などと立ち位置を考えながら自分の作品を見ること
・ 専門家じゃなくても、たとえば小学生が見てもわかるようにすること
「相手と話すときに、早口で話さない、ゆっくり相手が理解できるように話すような、相手が理解できるような絵にすることが必要です」と、わかりやすい例えが続きます。
どうやら「伝えること」に夢中になりすぎず、常に「伝わること」を意識していくことがインフォグラフィックスづくりには大切なようです。
■ワークショップ、ついにスタート!
「そもそもインフォグラフィックスは『新聞やニュース雑誌において事件・事件の様子を伝えるための手段=ニュースグラフィック』として発達したものです」という納得のルーツ紹介から、いよいよワークショップのテーマが発表されます。「そこで今回は、現在ニュースで取り上げられることも多い『タイの洪水』に関するインフォグラフィックスをつくってみましょう」
さらにワークショップは以下のようなルールで行われることになりました。
・手にした情報と、それ以外に自分が知る情報を使って自分なりのインフォグラフィックスをつくる(制限時間は30分)。
・作成後、3人一組になり順に自分の作品を見せ合う。
・見せ方は「まず無言で30秒作品を見せる」「その後、作品について2分30秒説明する」。
・その後、作品を見た2人がその作品について語り合う(何が面白い、どこがわからないなど)。このとき作品を見せた側の人は会話に参加してはいけない。
ルールを理解するのと同時に静かに盛り上がる会場内。つくったものをこの場で見せられる!でも、相手にわかるようにつくらなきゃ!どうやらみなさんスイッチが入ったようです。あらかじめ渡されていた資料と真っ白なA4用紙を目の前に、頭とペンを黙々と動かします。
(以下、今回使われた資料。木村氏が用意してくれたものです)
「時間が足りない!」という要望に応えて制限時間が延長されるなど、静かに白熱する場内。そしていよいよ3人一組になっての作品プレゼンがはじまります!
さらに作品についての率直な意見交換がはじまると、作品を作った人はうんうんうなづいたり、ちょっとくやしそうな顔をしたり、笑ったり。そんな風にみんなが「自分の作品を見てもらう」「第三者につたわったこと、伝わらなかったことを確かめる」「人の作品を見て楽しみ、意見する」そんな一連の流れを楽しみながらインフォグラフィックスづくりの楽しさを体感していきます。
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それぞれがプレゼンを体験した後、さらに仕上げの時間が設定され、最終的な作品をつくったところで作業は終了。木村氏による講評がはじまりました。
■講評とみんなの作品発表!
「皆の手の動きのすばやさにビックリしています。短時間でよくここまで来るものだなあ、と」
「ただアトラクティブ過ぎるものが多い印象があります。今回のような深刻なテーマ(洪水=災害)を扱うときは、遊び心が過ぎてはダメ。誰を対象にするか(中には被害で深刻な状況に陥っている人もかもしれない)もちゃんと意識しましょう」などと温かくも厳しいコメントが出ます。
さらに、いくつかの作品をピックアップしての講評に。
ここで先生から大事な教えが伝えられます。「自分の切り口でデータを持ってくるときには注意が必要です。データは、それを必要とする誰かが作ったものであり、少なからず誰かのフィルターがかかっている。そこは気をつけないといけない」
「インフォグラフィックスはニュースグラフィックスから産まれたもの。だからこそできるだけ『嘘』のないデータを集め、またつくるときも『嘘』の表現をしないようにつくって欲しい」
わかりやすく伝わりやすい作品だからこそ、楽しみながらも真摯につくることが大切なんですね。最後に大切なことを教えていただいて、今回のワークショップは終了です。
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最後に、主催者である経済産業省の高木美香さんからごあいさつがありました。
そして高木さんからは12月17日(土)に行われるカンファレンスについても紹介されました。ツタグラに応募された作品を発表、さらに日本を代表するデザイナーである原研哉さんとその他サポーター陣に講評をいただくというもの。
ますます盛り上がるツタグラ・プロジェクトをどうぞよろしくお願いします!
















